刑事事件の「窃盗罪」における弁護士の活動を見る

 財産犯については様々な犯罪が規定されていますが,財産犯の中でも基本となる窃盗罪(一部詐欺罪も含む。)を中心に,財産犯全体に通じる論点を判例に沿ってみていきたいと思います。刑事事件として窃盗罪が成立するためには,他人の占有する財物を窃取する必要がありますが,いかなる場合に「他人の財物」といえるのでしょうか。自分に所有権があるが,相手が所持しているような場合に問題となります。これは財産犯全体を通じて問題となるものです。弁護士によっても意見が分かれそうです。

 また,他人が占有している状況とはどんな状況のことを指すのでしょうか。他人の物を預かっている場合は誰が占有しているといえるのかといった問題や死者は物を占有していると見ることができるのかと言った問題についても判例に沿って考えてみましょう。

 このような窃盗罪の客観的な要件の他に主観的要件として,故意と不法領得の意思が要求されます。不法領得の意思とは,権利者排除意思と利用処分意思のことを言います。この二つが認められなければ,窃盗罪は成立しないのです。したがって,ちょっとの間,持ち主に内緒でペンを借りる行為などは権利者を排除するまでの意思はないことが多く窃盗罪に該当しないことが多いでしょう。

 さらに,窃盗罪はどの時点で既遂となるのかによって量刑に影響してくることから,その点についても判例から既遂未遂の分岐点について確認しましょう。

参考 刑事事件に強い弁護士のサイト

PAGETOP